“好奇心のエネルギー”としての哲学──酒は思想のメディアである

思索

醸—環世界05 【SAKE RE100】

人権、格差社会、SDGs、脱炭素──
21世紀の「在り方」は日々、声高に語られている。
しかし、未来を形づくるために必要なのは、技術や制度の整備だけではない。
そこには「知のエネルギー」──義務や責任ではなく、世界をもっと知りたいという“好奇心”に駆動される力が欠かせない。

哲学はいつの時代も、世界を複雑にし、驚きを取り戻す営みだった。
パルメニデス、デカルト、スピノザ、そして現代に至るまで、哲学者たちは
「世界は本当にそうなっているのか?」
と問い続けてきた。

いま、SAKE RE100は、この問いを「飲む」という行為を通して再起動させようとしている。

なぜこの酒はこの味なのか。何が他の酒蔵と違うのか。
なぜこの蔵は再エネに取り組むのか。取り組む必要はそもそもあるのか。
なぜ飲むことが環境貢献になるのか。世界の環境はどうなっているのか。
自分はなぜ、これを選んだのか。選ぶべきなのか。それとも無視すべきなのか。

これらは単なる商品説明の延長ではない。
自己と世界の関係性そのものを揺さぶる、哲学的な契機である。

SAKEとは、知を媒介し、意味を発酵させるメディア(媒体)である。
それは情報を伝えるだけではなく、五感を通して意味を体得させる“身体知”の回路である。

だからこそ私たちは、好奇心のある人へこの酒を届けたい。
知のエネルギーをもつ人々が、そこから次の思想を醸し出すための小さなトリガーとなるからだ。

時を超え、空間を超え、一人ひとりの行為と行動を呼び起こすもの。
哲学は、思想に基づく行動、生き様を内包する。
そして世界を変えるのは、常に現実世界での具体的な行動である。

飲むことは問いを生み、問いは哲学を生み、哲学は未来を醸す装置となる。