日本酒の酒米(さかまい)とは
日本酒を造る際、欠かせない原料は何でしょうか?
第一に「仕込み水」。第二に、「お米」です。
同じ醸造方法でも、お米の良し悪しや特徴で、酒質は全く違うものになってきます。
9月になると、仕込みの準備が始まるので、酒蔵では酒米を仕入れる段取りが必要な時期になってきます。
ちなみに、酒蔵の業界では、お米を一気に買い付けて仕入れ、お酒を約半年にわたって造り、次の造りまでに回収していくという流れが慣例です。経営的には、その瞬間で年間で最大の?キャッシュが必要になるわけです(笑)
経営上、携帯の端末代金みたいに分割払いできれば御の字なのですが、業界の慣習上そういうわけにもいかず、大体借り入れするのが大半かと思います。
さて、通常ご飯などで食べているのは、「食米」です。
これは、なかなか酒造りに適していないことが多いです。
というのも、食米はタンパク質が多く、粒も小さいものが多いからです。
タンパク質が多いと、酒に「雑味」が出やすくなります。
逆に、タンパク質が少なく、粒も大粒であるものが、酒造好適米、すなわち酒米になります。
さらに、酒米の場合は、精米(せいまい)をした際、麹を生育するのに不可欠なデンプンの比率が食米に比べて上がります。
酒米を使う理由とは
酒造りにおいて、精米をすることでお米を半分近くまで削ったりするのは、周りの雑味成分であるタンパク質を取り除き、中心のデンプン質(心白)だけを残すようにするためですが、酒米はこの精米に適した特徴を持っています。
つまり、
①雑味が少ない綺麗な味になること
②麹菌の繁殖をさせやすいこと
が酒米を使用する主なポイントとなります。
次回は、酒米の等級についてご紹介します。